【徹底解説】乙字湯の効果・効能と副作用
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あなたは「乙字湯(おつじとう)」をご存知でしょうか?乙字湯は6種の生薬からなる漢方で「痔」の改善の他にも様々な効果・効能がります。ただし知っておくべき副作用もあります。
近年、私たちが働いたり学んだりする環境で「パソコン」「タブレット」「スマホ」などは欠かせない存在となっていますが、常に同じ姿勢でいることが多いため、下半身に生じる「痔(じ)」に悩みを持つ方や、職場や電車などの「冷房のききすぎ」による「冷え性」を訴える方が増えています。
こちらの記事を見てらっしゃるということは、あなたもそのひとりかもしれませんね。
そんなあなたにおすすめしたいのが、「漢方薬」の一種である「乙字湯(おつじとう)」です。
ここでは、「乙字湯(おつじとう)とは何か」というところから、「乙字湯(の効果・効能や副作用」までをわかりやすくお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
乙字湯(おつじとう)とは
時は江戸時代、原南陽(はらなんよう)という医師によって生み出された「乙字湯(おつじとう)」は、以下の6種類の生薬配合の「痔(じ)」に作用する、実際の医療機関(病院)でもよく処方されている「漢方薬」です。
【乙字湯(おつじとう)に含まる生薬】
- 柴胡(さいこ)
- 黄芩(おうごん)
- 当帰(とうき)
- 升麻(しょうま)
- 大黄(だいおう)
- 甘草(かんぞう)
「痔(じ)」が生じる主な要因となるのは「肛門のあたりの血流が悪化・滞ること=瘀血(おけつ)」ですが、さらに遡れば、「固めの便を排出するときに力を入れ過ぎてしまうことによる「便秘」や日頃からの「身体の冷え」が原因となっています。
【痔(じ)による主な症状】
- 「うっ血」が起こる
- 上皮が緩み垂れ下がることで「肛門」から脱出する
- 「痔核(いぼ痔)」ができる(肛門にできるいぼ状の腫れ)
乙字湯には、上記のような「うっ血・痔核(いぼ痔)の改善」「垂れ下がった上皮の引き締めを行う」といった働きをする他、「痔(じ)」の根本にある「便秘」「身体の冷え」に渡るさまざまな症状・炎症までを和らげる効能がありますが、中でも「便秘」に関しては、乙字湯の「大黄(だいおう)」が効き目を発揮することで「肛門」にかかってしまう負担を軽減させてくれるので、「今まで何をしてきたけれどどれも全然効かない」という方にも非常に効果的です。
他にも、「自律神経の乱れ」や「ノイローゼ」などにも効能があるとされています。
ただし、希に「下痢」を引き起こす恐れがありますので、その点には内服量をしっかりと守るなど、気をつけてるようにしてください(特に妊婦の方)。
乙字湯の効果・効能
先程、「乙字湯(おつじとう)」には6種類の生薬が含まれているとお話しましたが、ここからはその生薬ひとつひとつにはどういった効果・効能が含まれているのかについて見ていくことにしましょう。
柴胡(さいこ)
「柴胡(さいこ)」は、「ミシナサイコ」という「セリ科」の植物の「根」の部分を乾燥させたものです。
主な効果・効能
- 熱を冷ます(解熱)
- 脂肪代謝を改善する
- 痛みを伴うような炎症をとりさる(消炎)
- 肝臓機能を正常にする(強肝)
副作用
- 便秘
- 胃腸の不快感
黄芩(おうごん)
「黄芩(おうごん)」は、「コガネバナ」という「シソ科」の植物の「根周辺以外」を乾燥させたものです。
主な効果・効能
- 熱を冷ます(解熱)
- 脂肪代謝を改善する
- 痛みを伴うような炎症をとりさる(消炎)
- 肝臓機能を正常にする(強肝)
副作用
- 間質性肺炎の初期症状
希に息切れ・空咳・発熱・呼吸困難・肌が黄色くなる・倦怠感などの症状があらわれる恐れがある
当帰(とうき)
「当帰(とうき)」は、あらかじめ湯通しをした「トウキ」という「セリ科」の植物の「根」の部分を乾燥させたものです。血の巡りを良くする効能が比較的強いため、日頃から「性器」の出血量が多い場合は使用を避けるようにしてください。
主な効果・効能
- 血管を拡げて血流を改善する
- 生理痛や月経不順などの婦人科系疾患を改善する
- 痛みを伴うような炎症をとりさる(消炎)
- 便秘を改善する
- おならが出るようになる
- 便通不全によるダイエットに作用する
副作用
- 多量摂取や長期服用による鼻孔の灼熱感や咽喉の痛み
升麻(しょうま)
「升麻(しょうま)」は、「サラシナショウマ」という「キンポウゲ科」の植物の「根茎」です。こちらの生薬の他に、複数の「漢方薬」を服用する場合は飲み合わせに注意し、医師や薬剤師の方に必ず相談するようにしてください。(似たような副作用を持つ漢方薬があるため)
主な効果・効能
- デトックスをする(解毒・発汗)
- 血流などが静脈内などで停滞する状態にあるものを上昇させる
- 痔を改善する(脱肛や痔核・いぼ痔に良い)
- 精神を安定させてくれる(落ち込んだ状態の改善)
副作用
- 血圧の上昇
- 浮腫み(むくみ)が生じる
大黄(だいおう)
「大黄(だいおう)」は、「ダイオウ」という「タデ科」の植物の「根茎」を乾燥させたものです。胃腸に関する障害症状があらわれることが考えられるため、元々胃腸が弱いという方はあまり服用されないことをおすすめします。
主な効果・効能
- 熱を冷ます(解熱)
- 便秘を改善する(排便の促進)
- おならが出るようになる
- 便通不全によるダイエットに作用する
- 痛みを伴うような炎症をとりさる(消炎)
副作用
- 胃痛
- 胃もたれ
- 吐き気
- 嘔吐
- 食欲不振
- 下痢(症状が比較的激しいことも考えられる)
- 胸やけ
甘草(かんぞう)
「甘草(かんぞう)」は、「カンゾウ」という「マメ科」の植物の「根」「根茎」を乾燥させたものです。多くの漢方薬に取り入れられています。
主な効果・効能
- 緊張を緩和する
- 他の薬自体の効能を高めることによって毒性を和らげる
- 消化器官系統に関わる炎症を改善する
- 痛みを伴うような炎症をとりさる(消炎)
副作用
- 血圧の上昇
- 低カリウム血症の発症
希に「ミオパチー」という手足筋肉の痙攣(けいれん)や麻痺・脱力感・筋力低下・筋肉痛などの横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)という症状があらわれる恐れがある - 偽アルドステロン症の発症
- 体重の増加
乙字湯の飲み方
「乙字湯(おつじとう)」を製造しているメーカーとしても有名な「ツムラ」の「乙字湯エキス顆粒」では、以下のような飲み方・服用をおすすめしています。
【乙字湯エキス顆粒の基本的な飲み方】
- 「1日2~3回」に分けて「食前あるいは食間」に「7.5g」の量を服用する
ただし、自身の症状や年齢などに応じて量の調節をするようにしてください
乙字湯の副作用
一般的に考えられる症状
乙字湯のような「便秘」に働きかける「漢方薬」には、前述したような「胃腸の不快感・腹痛」「下痢」などの「副作用」が生じるということが大いに考えられます。
もし、同様の症状があらわれた場合は直ちに服用を中止し、「薬剤師に話をする・医療機関を受診する」などの対応をとるようにしましょう。
また、実際には多くないものの、「食欲不振・発熱・吐き気・発疹・痒み・肌が黄色くなる・茶褐色の尿が出る」などの「肝障害」を引き起こしたという例がありますので、乙字湯の服用中には自身の「肝機能」状態を日々確認し、必要に応じては血液検査などをこまめに受けるようにしてください。
妊娠中・授乳中の場合
「妊娠中」や「授乳中」の方はどうしても運動不足になってしまうために「便秘」に悩まされることが多いと思いますが、乙字湯の持つ「便秘改善効果」は非常に強力であり、お腹の赤ちゃんが「未熟児として生まれる」「流産」などの悪影響が及んでしまうかもしれません。
特に、「骨盤内臓器の充血」「子宮の収縮」などの作用がある「大黄(だいおう)」には、注意が必要です。
そのため、「どうしても服用したい」という場合は必ず担当医師に相談するようにしてください。
乙字湯の販売店舗
「乙字湯(おつじとう)」に関しては、大手メーカーをはじめ数ある製薬会社にて製造・販売されているため、ドラッグストアなどの一般的な薬局でも市販の乙字湯を購入することができます。
比較的値段もお安くなっているので、長期間の服用を考える上でもおすすめですが、薬局全店舗が該当するわけではありません。
また、独自の判断による服用は必ずしも安全だとは言い切れないため、あらかじめ薬剤師の方に電話などで問い合わせるようにしてください。
まとめ
ここまで「乙字湯(おつじとう)」についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
「便秘」「痔」「冷え」などの症状に乙字湯が効果・効能をもたらすことが期待できますが、一方で、こちらの漢方薬は「健康な方」に向けたものであることを忘れてはいけません。
文中でもいくつか挙げさせていただきましたが、「体調がすぐれない方」「妊娠中・授乳中の方」「元々胃腸があまり強くない方」が服用されると、「強めの副作用」が発症する恐れがありますので、十分に注意するようにしてください。
もし、服用中に異変が生じた場合は、すぐに医師・薬剤師の方に相談しましょう。
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